一番大切なこと。ゲーム実況と著作権のまとめ

ゲーム実況と著作権

ゲーム実況を始めるにあたり最も気を付けるべきは何だろうか。

トーク内容。再生数。編集。チャンネル登録。機材に流行、ネタやプレイスタイル。

たしかに、どれも大切である。コンテンツとして良質なものを作るためにも、そしてその動画の評価のためにも、おろそかにできないものばかりだ。しかし、一番大切なことはこれらのどれでもない。

一番大切なこと。それは、プレイするゲームの著作権である。

この記事では、ゲーム実況における著作権の問題を解説する。読者諸兄には、ぜひこの記事を読んで、好きなゲームを堂々と実況できるようにしてほしい。

ゲーム実況と著作権の問題

そもそもゲーム実況とゲーム自体の著作権は、どういう関係にあるのだろうか。

作品には作り手の権利、つまり著作権がある。ゲームについても同じことで、この世にあるゲームは、製作者が著作権フリー(主に、作者が一定範囲での利用許可を出していること。完全に権利を放棄しているわけではない。実況許可も一種の著作権フリーに当たる)を出していない限り、コピーや盗用、無断使用から法律で守られているのだ。

ゲーム実況が著作権に抵触する理由はここにある。ゲーム実況は他者の著作物であるゲームを中心にしている。つまり、一種の無断使用とみなされてしまうのだ。その動画を作るということは、ゲーム使用の承諾を得た場合を除いて、すべて著作権違反になる可能性がある。

たしかに、今日一般的になってきたゲーム実況であるが、今でもその扱いについてはグレーゾーンの範疇だ。公式に許可されているゲームや、メーカー自体が作った公式チャンネルなども増えてきたが、大半は黙認という形を取っている場合も多い。つまり、製作者や企業が侵害であると口にしないだけで、実際にはいつ訴えられてもおかしくないのだ。そのため、もしも企業にとってマイナスになるような動画を上げてしまうと、即座に削除されることもある。どんなに上手く作って、投稿当初からおそろしく再生数が伸びたとしても、メーカーから削除申請されてしまえば、一瞬ですべてが水の泡になってしまうのである。

ゲーム実況動画で著作権を侵さないための方法

では、ゲーム実況で著作権を侵さないためにはどうすればよいだろうか。
基本的には、以下の方法が挙げられる。

ゲーム実況の許可をとる

購入したゲームの問い合わせ先に、ゲーム実況に使用していいかどうかを直接訊く方法。

ある意味では最も簡単な方法である。しかし、実際に質問しても要領を得ない回答をされる場合も多い。というのも、企業側からすれば、表立って許可する、というのはしづらいのである。

理由は単純で、使用の許可を一度出してしまうと、それを盾にして悪用されるケースもあるからだ。許可を得られたからと言って何をしてもいいわけではもちろんないが、好き放題する人間も世の中にいるのである。企業側の人間もそれを知っているため、軽々しく許可を与えることはできないのだ。

特にコンシューマーゲームは、評判が悪くなれば売り上げに大打撃を与える可能性が高い。もし実況の許可を出して、ゲームを取り扱った動画が炎上でもすれば、ゲームもつられて評価が悪くなってしまう可能性は大いにあるのだ。そのような場合、企業が許可を出してしまった状態だと、権利が手元から離れているためリアクションが取りづらい。一方で黙認という形であれば、著作権の侵害を理由に速やかに削除申請ができる。

そういうわけで、ゲーム会社に直接訪ねても、おおっぴらに許可がもらえる可能性は低い。ただし、はっきりとNOといわれることもあまりないので、確認程度に聞いておくのもいいかもしれない。

ゲーム実況の許可が出ているゲームをプレイする

上で企業がゲーム実況を許可するリスクについて説明したが、一方で実況の許可が出されているゲームも多く存在する。特にソーシャルゲームやネットゲーム、マインクラフトなどの自由度を売りとしているゲームは、むしろ推奨されている場合もある。

これらのゲームは、購入すれば終わりではなく、むしろプレイしてからが重要である。ゲーム実況で取り上げられるのはいい宣伝になるのだ。もし好きなネットゲームなどがあれば、許可が出されているかを確認してみよう。あなたのゲーム実況で、ゲームのプレイヤーやファンをより増やすことができるかもしれない。

また、今日ではゲーム実況を公認しているメーカーも少なくない。特に任天堂はゲーム実況に関して公式ガイドラインを発表し、ほぼすべてのゲームに許可を出している。公序良俗に反した場合には法的措置をとると明言しているものの、任天堂側が示すルールを守る限り、動画をアップし、収入を得てもいいという。

任天堂のゲームで好きなものがあったら、安心して動画を作ってほしい。ただし、公式ガイドラインをしっかり確認し、ガイドラインの目的がユーザー間の共感や交流の活性のためであることを忘れないように。

他にもスクウェア・エニックスやカプコンなど、様々なゲームメーカーがゲーム実況に関しての対応を表明している。下記にまとめられているので、実況で扱いたいゲームがあるのなら、そのメーカーの対応を見てから決めよう。

プレイ動画に対するメーカーの対応
参考URL: https://www18.atwiki.jp/live2ch/pages/157.html

すでに実況動画が挙げられているゲームをプレイする

あまり大っぴらに言うべきではないが、すでに実況動画が作られていて、なおかつ長期間削除されていない場合、動画作成が黙認されている可能性が高い。そういったゲームならば、実況しても比較的安全である。ただし、グレーゾーンであることだけは注意しておきたい。他の動画が原因で、連鎖的に削除されないとは断言できないからだ。

実況動画はあくまで自己責任であることを、深く肝に銘じておいてほしい。

まとめ

本記事ではゲーム実況と著作権についてまとめたが、記事で伝えたように、今著作権をめぐる問題はゲーム実況者自身に依存している部分が多い。つまり削除対象になるかどうかは、ゲーム実況者の態度によるのである。

そのためゲーム実況をする場合には、必ず良識のある行動を心掛けてほしい。売り上げに影響を及ぼしたり、あるいは世界観を壊すような発言などは、決してするべきではない。

今は認められていても、実況動画をめぐって大事件が発生し、すべての実況動画が規制対象になってしまう――そういった未来がないとは、決して言えないのだから。