昨今なにかと話題なVtuberであるが、人(?)によってはゲーム実況などもこなす。
自分の個性を見せる肉声実況でも、すでに大勢が知っているキャラクターになりきるキャラクター実況でもない、自分でモデリングしたキャラクターを使うVtuber実況は、ゲーム実況動画としては新しいジャンルともいえるだろう。
そんなVtuber実況をやってみたい!という人も多いはずだ。しかし、実況を作るにはどうすればいいのだろうか。そして、肉声実況とは違うのだろうか?
この記事では、
- Vtuber実況の作り方
- Vtuberになるメリット・デメリット
について紹介する。
ゲーム実況を制作する人はもちろん、Vtuberに興味がある人や動画を作ろうとしている人にも、一読してVtuberの特性を理解してほしい。
目次
簡単作成! Vtuber実況の作り方
Vtuber実況作成は、実はそれほど難しくない。というのも、現在は支援ソフトやモデリングソフトが充実しているからだ。極論、Vtuberとしてのモデルさえ作れば、あとは通常の実況とそれほど変わらない。
工程としては以下である。
- Vtuber作成
- モデル作成
Vtuberの容姿を作る作業。3Dモデルとlive2Dモデルなどがある。
ソフトに元々入っているモデルのカスタムなどが主である。ソフトによっては一から作ることもできなくはないが、多大な労力が必要になる。また、ソフトごとにモデルの絵柄やカスタム要素が異なるので、一度そのソフトで作られたモデルなどを確認してから選ぶことをおすすめする。
トラッキング・動作付け
モデルに動きをつけること。
種類として、
- WEBカメラを用いて自分の表情をモデルに反映させる方法
- ソフトに用意されたモーションで動作をさせる方法
- トラッカーを全身に装着して、自分の動きを反映させる方法
の3つがある。
なお、トラッカーは非常に高価である上に、用意するのも使用するのもかなり大変である。ソフトの機能でできる表情トラッキングと、ソフト内のモーションだけでも十分なので、こちらを活用していこう。
ゲーム実況
配置
Vtuberという立場上、画面内にいることが望ましい。というのも、トークだけでなくVtuberの容姿やプレイシーン自体も重要になるからだ。
表情等の変化や動作が伝わるようにしたうえで、ゲームのジャンルや画面を考慮し、キャラクターを設置する必要がある。
録画
通常のゲーム実況と同じ。
Vtuberモデルの作成:ソフトの紹介
Vtuber作成の工程をモデル作成とトラッキングの二つに分けたが、この2つは一つのソフトで完結させることが可能である。逆に言えば、どのソフトを選ぶかによって、作るモデルの作りやトラッキング方法が決定する。
ソフトにもいくつか種類があるが、おすすめできるソフトは以下の3つ。
FaceVTuber
汎用性に優れた作成ソフト。モデルのカスタムからトラッキングまで、簡単にできるのが魅力だ。MMDモデルも使用可能なので、自作モデルだけでなく、自分の好きなキャラクターも動かして楽しめる。
とりあえずモデルを作ってみたいという場合でも気軽に作成可能。Vtuberはまだ検討中という場合は、ここから試してみるといい。
Hitogata
簡単な操作であり、カスタムも楽しめるソフト。カスタムのバリエーションは多いわけではないが使いやすいので、個性的なモデルを作りたい初心者はこちらがいいだろう。
また、WEBカメラからのトラッキング以外にも、録音した音声を口パクさせることができるのも嬉しい。カメラでトラッキングする必要がないので、より簡単に実況作成が作れる。
ひとまずこれを使えば、必要なモデルおよびモーションは用意できる。
あとは、録画したプレイ画面に、編集でこれらを表示するだけだ。
Vtuber実況のメリットとデメリットとは
Vtuberのメリット
Vtuberのメリットとして、次の要素が挙げられる。
ゲーム以外の点で興味を持ってもらえる
視聴者は、動画選びの基準として、ゲームの種類やジャンル、タイトル、サムネイル、再生時間、再生数など、様々な要素を見る。このうちのいくつかの要素で興味を持てば、視聴しようと考えるのだ。
Vtuber実況の場合は、以上の要素の中に、さらにVtuberモデルを加えることができる。この要素は少なからず効果があり、ゲームジャンルに関心が薄くても、モデルの容姿が気に入れば、そのモデルを見るために視聴する、ということもある。
再生数上昇の要因には成り得るだろう。
表情や動作を表現要素にできる
顔出しゲーム実況にも言えることだが、プレイヤーの動作や表情は表現としてかなりの効果がある。トークやBGMなどでなければ伝えられないことも、表情一つ、動作一つで視聴者に伝えられるのだ。しかし、すでに名が売れているならまだしも、不特定多数に自身の顔を晒すのは、リスクも高く心理的にも許容できない部分が大きいだろう。
Vtuberならば、そういったリスクも回避できる。プレイヤーとしての自分を晒すことなく、表情や動作を魅せられるのだ。一層実況に幅を持たせられるのは間違いない。
Vtuberのデメリット
逆にデメリットとしては、以下の要素がある。
キャラクター性が強すぎる
正直に言ってしまえば、Vtuber実況はゲーム実況と同一とは言えない。たしかにゲームをしてはいるものの、一方でVtuberとしての企画動画、という側面もあるからだ。
そうなると、ゲームプレイを見てほしいのに、キャラクターばかりに注目が集まる、という事態は当然起こる。その点は考慮しておこう。
拡張性はない
実況者にできないがVtuberならできる、ということがあるように、実況者であるならばできることも、Vtuberとしてはできないこともある。
特に挙げたいのは、信頼度やイベント参加の問題だ。
実況者であれば、一人の人間として活動するがゆえに、スポンサーやファンがついてくれる。しかしVtuberの場合、支持を得ているのはキャラクターであるという関係上、製作者は表に出てこられない。実際にプレイしていても、評価を受けづらいのである。
また、ゲームイベントなどに参加できないことも大きい。参加するとしても、受け入れや活動が負担になることは避けられないだろう。身一つで十分な肉声実況者と比べて、Vtuber実況者は制約が多すぎる。
まとめ
Vtuber実況は、選択肢の一つとして十分に考慮できるジャンルではある。
他の実況と比べればかなり異質になってしまうことも事実だ。用意するものや気を付けるべきことはたくさんある。通常の実況より、編集の手間もかかるだろう。しかし、一つの実況方法として、作り手としても楽しいことは間違いない。
まずはソフトで、モデルを作るだけでもやってみてはどうだろう。もしかしたら、想像以上にのめりこんでしまうかもしれない。