動画もゲームも視覚的な情報であるために、視聴者であるときにはBGMについてあまり意識しないことが多いかもしれない。しかし一度作り手に回れば、BGMというものがどれほど重要かに気づけるはずだ。
この記事では、
・実況動画におけるBGMの効果
・動画内でBGMをどう調整するか
・実況動画で使用できるBGM
・BGMが上手いおすすめ実況者
について紹介していく。
BGMの重要性
改めて説明すると、BGMとは「バックグラウンドミュージック」の略称である。
効果としては、
・場の雰囲気づくり
・気分や感情の表現
・何もないときの空白を埋めるため
などが挙げられる。
場の雰囲気づくり
ゾンビ系のホラーゲームなどをイメージしてみるとわかりやすい。
今、主人公が薄暗い廃屋の中を歩いている。視界は見辛く、障害物が多いため、どこからゾンビがやってくるかわからない……。実に緊迫した状況だ。リアルなゲームであれば、画面だけで緊迫感が伝わってくるだろう。
しかしここに、低音量の不気味な音楽を流したらどうなるだろうか。不協和音を交えたダークな音楽は、視覚だけではなく聴覚にも不安を感じさせ、画面に一層の緊迫感が増すはずだ。曲調だけでなく音量も重要で、聞こえるか聞こえないかのかすかな音楽というのは、人にどこか恐怖を覚えさせる効果もある。
上記は特定の場面を強調することに使用した例だが、場面に意味を与える効果もある。
例えばマインクラフトの動画で、家を作りながら牧歌的で明るい音楽が流れていたらどうだろうか。家を作るのがとても楽しそうに思えるはずだ。視聴者としても、その動画を作る工程を一緒に楽しめるだろう。
しかし、もしシリアスで厳かな曲が流れていたらどうだろうか。作業にぐっと真剣みが増し、作業の動きよりも完成度に向けて意識がフォーカスされるだろう。明るい曲では笑ってもらえたかもしれない間違いも、真剣な場面ではあまり笑ってもらえない。なぜだろう?
決まっている。そういう雰囲気ではないからだ。
BGMにはこのように、場面の協調をしたり、何でもない場面でも意味を持たせることができる。
気分や感情の表現
先ほどは場面の雰囲気づくりを例にしたが、気分や感情を表すものとしても、BGMは有効である。
先の例でいえば、ゾンビゲームでゾンビに追われているとき、テンポが速く鋭い音が多い音楽が流れる場合がそうだ。緊迫感を与えるBGMで、主人公のピンチを表現し、プレイヤーにも緊張を感じさせることができる。
BGMの切り替えによる心情の変化を表現することもある。マインクラフトで、のんびりしたBGMを流しながら作業していたところ、敵に襲われる。そこでBGMが戦闘用の迫力ある曲に切り替わり、敵に復讐するべく攻撃を開始する。
このような場面では、作業時の平穏な心から、敵に攻撃されたことへの怒りと闘争心への切り替えが表現できる。
何もないときに空白を埋めるため
ゲーム実況中であっても、常に事件が起き続けるわけではない。実況者としてトークを切らさないようにしたとしても、プレイ中はどうしても無音の瞬間が生まれてしまう。
実は無音には、一種の圧力がある。再び音が出るかどうかという緊張が、無意識に生まれてしまうのだ。それは視聴者にとって、一種の負担にもなりうる。
そんなときこそ、BGMは有効だ。BGMが流れ続けていれば、途中少し黙っても視聴者を緊張させなくて済む。
画面の盛り上がりがないときや無音に対する保険として、BGMは非常に便利なのである。
音量調整のコツ
BGMには二種類ある。
・ゲーム自体のBGM
・自分でつけるBGM
どちらのBGMにしろ、動画に入れるうえで重要なことがある。
自分の声とBGMの音量調節だ。
声とBGMの音量の関係性については、これで大丈夫という絶対的なものはないため、自分の好みや視聴者からの反応で調整していく必要がある。
ただ、私の意見としては、トーク音声>BGMというのがおすすめだ。理由は、トークは言葉であり、聞いて理解してもらう必要があるからだ。BGMは小さくても注意して聞く必要はないが、言葉はそうはいかない。なので、自分の声の大きさを考慮し、BGMより大きいくらいが理想であると考える。
音声調整の方法
音声調整だが、動画の録画パターンによってやり方が変わる。
一発撮り
ゲームとトークをまとめて録画した場合の方法。
一発撮りの最大の短所は、音ごとに調整をできない点だ。仮に自分の声がBGMに消されてしまっていても、どちらかを変えることはできない。この場合は、マイクやゲームのBGM、もしくは自分で再生するBGMの音量を一度試し撮りしてから確認し、固定することをおすすめする。
別撮り
別撮りは、ゲーム録画データと自分のトークデータを別にして収録すること。
データが異なるため、どちらかを調節するといったことが可能であり、後から修正は容易である。しかし編集などが難しいのも事実だ。BGM調節の方法の一種でもあるが、上級者の手法といえる。
どんなBGMや効果音ならゲーム実況で使える?
実況で使用するゲームは当然であるが、BGMももちろん著作権が絡んでくる。したがってアーティストの歌は使用できない。特にYoutubeは規制が厳しいため、上げれば即座に削除されるだろう。
そのため、ゲーム実況には著作権フリーのBGMを使う必要がある。
以下は著作権フリーの曲をまとめたサイトだ。
フリーBGM9,072曲+フリーSE(効果音)1,087音を無料でダウンロードできるサイト。サイトが非常に見やすく、新着順やダウンロード順、曲の雰囲気などのタグでも検索できる。ボーカル付きの曲もアップロードされており、聞くだけでも楽しい。
YouTubeにて配信されている、著作権フリー楽曲のチャンネル。チャンネル登録者数は2100万人という超大規模チャンネルで、海外YouTuberも利用しているなど、世界規模で親しまれている。
すべての曲が完全に無料で使えるサイト。BGMはサイバー、ファンタジー、オーケストラ、民族調やファミコン8bitまで、様々なジャンルに分けられている。ゲーム実況などで使われる想定の戦闘用の曲や探索中をイメージした曲もあり、想像した通りの曲を見つけられるだろう。
ゲーム実況のおすすめのBGM
以下には、著作権フリーかつ実況動画でもよく使われる曲を集めた。ゲーム実況でよく使われる曲は、視聴者にとってもおなじみのため、親しみが生まれやすい。BGMに困ったときにはぜひ活用しよう。
休み時間の過ごし方
明るく楽しげ曲。散策などの活動的な状況で流すとよく合う。
ハンター見習い
牧歌的でどこか気の抜けた曲。普段使いのBGMとしてちょうどいい。
Moment
切なさを感じさせる曲。悲壮感のある場面ではこれがしっくりくるだろう。
まとめ
ゲーム実況で必要なことは、プレイだけではなく視聴者を飽きさせないこと。ひいては見せ場を多く作ることである。
BGMは見せ場のサポートや、それ自体が演出として見せ場になってくれることもある。また、著作権フリーのサイトなどで、あまり使われていないいい曲を見つけることができたなら、それを度々使うことで自分の動画のテーマとして認知され、看板代わりになることもある。
うまく使えば最高の武器になるBGM。視覚内容だけでなく、聴覚への工夫も試してみよう。