今では動画サイトなどで頻繁にみられるゲーム実況。面白い動画を見て、すっかり夢中になり、『自分も作ってみたい!』と思う人も多いはずだ。とはいえ、作るには何が必要で、どんな作業をするのだろう。動画に携わったことがないほどの初心者には、イメージしづらい世界である。
この記事では、そんな初心者のために、動画投稿に必要なものと手順を紹介していく。記事を読み終わるころには、あなたもゲーム実況者だ。
用意するもの
まずは道具の準備から。ゲーム実況に必要なものは、以下の5項目である。
ゲーム一式
当然のことだが、まずはゲームそのものがないと実況もなにもない。実況したいゲームのハードとソフトを用意しよう。なお、キャプチャーボードを通してPCにゲーム画面を移せるので、TVやモニターは用意する必要はない。
キャプチャーボード
キャプチャーボードとは、PCとゲームハードにつなげることで、ゲーム画面をパソコンに取り込むことができる機器のことをいう。ちなみにPCゲームを実況する場合は、キャプチャーボードの代わりにキャプチャーソフトが必要だ。
キャプチャーボードには、それぞれ取り付け方や変換によって種類がある。
外付け型
USBでパソコンと接続するタイプのキャプチャーボード。簡単に取り付けることができる。
内臓型
デスクトップパソコンの中に取り付けるタイプのキャプチャーボード。取り付けには知識が必要になる。また、ノートパソコンでの使用は不可。
ハードウェアエンコード
パソコンの負荷が大きくなる代わりに、遅延が小さくなるタイプ。とはいえ、パソコンのスペックがよほど低くなければ普通に使えることが多い。
ソフトウェアエンコード
パソコンへの負荷が小さくて済むタイプ。ただし、その分遅延も発生する。
初めて行う場合であれば、取りつけやすい外付けをおすすめする。また、エンコードの種類については、遅延に関係してくるものの、最近では低遅延を謳うものも多いため、それほど気にしなくてもいい項目でもある。とはいえ、PCのスペックをちゃんと確認してから選ぼう。
接続ケーブル
キャプチャーボードは、他の機器に接続するときに、以下のケーブルが必要になる。
- PCとの接続 / USBケーブル
- 新型ゲーム機との接続 / HDMI端子
- 古いゲームとの接続 / コンポジット端子
古いゲームを実況したい場合は、コンポジット端子と呼ばれるケーブルが付属しているものでなければ、接続そのものができない。購入する際は注意しよう。
PC
キャプチャーボードやマイクによる録画・録音、映像の編を集するときなどに必須の機器。録画と、あとで紹介する別撮りの録音、動画の編集作業には、それぞれソフトが必要になる。
コチラもどうぞ
[st-card id=108 ]
マイク
実況に欠かせないのが、実況者の声。ハード自体についているマイクや、ノートパソコンのマイクも使えないわけではないが、ちゃんとした自分の声を動画に入れたいのであれば、マイクは必須だ。
マイクにも種類があり、ここでは大きく2つを紹介する。
ヘッドセットマイク
ヘッドホンとマイクが一緒になったもの。以下の特徴がある。
- 取り回しが楽
- 姿勢を変えてもマイクとの距離が変わらない
- 音質が良くない
- 装着感が人によって異なる
コチラもどうぞ
[st-card id=113 ]
スタンドマイク
装着せず、置いて使うマイク。以下の特徴がある。
- 自分がつかっているヘッドホンで音を聞ける
- 複数人の声も入れられる
- 口元との距離感を保つのが難しい
- 注意しないと、雑音を拾ってしまうことも
マイクの特徴を考え、自分の撮りたい実況のスタイルに合わせて選ぼう。
コチラもどうぞ
[st-card id=106 ]
ゲーム実況工程表
機材をそろえたら、さっそく実況の収録に取り掛かろう。
動画の作成から投稿までは、以下の3つに分けられる。
1.録画
2.編集
3.投稿
詳しく解説していこう。
録画
キャプチャーソフト
実況に必要な機器の項目で、キャプチャーボードについて説明した。しかし、実はキャプチャーボードだけでは、PCにゲーム画面を表示できない。
ゲーム画面を表示して録画するには、キャプチャーソフトというソフトが必要になるからだ。
キャプチャーソフトは、基本的にキャプチャーボードに付属しており、公式サイトから無料でダウンロードできる。最初はこちらの使用をおすすめする。ただ、もし使いにくいと感じる場合は、フリーのキャプチャーソフトを使ってみてもいい。無料で使えるものも多いので、慣れてきたら自分に合ったソフトを探してみよう。
まとめ撮りと別撮り
動画に自分の声を入れる場合には、2つの方法がある。
・まとめ撮り
前述したキャプチャーソフトを用いて録画する方法。PCにマイクを接続して録画を開始すれば、それだけで自分の実況が入った動画を作ることができる。
まとめ撮りの特徴として、以下が挙げられる。
- 音と映像を一度で取りきることができる
- すぐに編集に取り掛かれる
- 雑音などがあった場合、映像と音声、どちらも撮り直すことになる
- ゲームの音が自分の声より大きいことがわかっても、あとから調節できない
・別撮り
まとめ撮りが映像と音声を1つのデータでまとめてしまうのに対して、別撮りは映像データと音声データを別々に収録し、編集によって合わせる方法を言う。
別撮りの特徴として、以下が挙げられる。
- 自分の声を別でとれるので、雑音があってもカバーできる
- 自分の声がゲーム音に比べて小さくても、編集で大きくすることができる
- 動画に合わせる際、タイミングのずれなどを気にする必要がある
- 編集作業を行う必要がある
便利なのは別撮りの方だが、編集ソフトを使用することが前提となるため、難易度が跳ね上がることに注意しよう。編集ソフトは使い方が難しく、ただでさえ大変な作業がさらに複雑になってしまい、つまづく原因になる。
初めて実況動画を作るという場合には、まとめ撮りから始めて、編集に慣れてから別撮りに挑戦しよう。
コチラもどうぞ
[st-card id=122 ]
編集
実況動画のみならず、すべての動画で必要になる工程が、この編集作業である。
編集のためには編集ソフトが必要だ。便利な編集ソフトには有料のものが多いが、フリーソフトでも必要な機能が十分そろっている。初心者はまずフリーの編集ソフトでやり方を覚えよう。
おすすめな編集ソフトは以下の通り。
・Avidemux
windowsOS・Mac両方で使える編集ソフト。ソフトのダウンロードに加えて日本語ファイルも入れなければならないが、機能はすべて無料。多種のフォーマットにも対応しており、編集ソフトを体験したいという場合は、ぜひ試してみよう。
・i movie
MacOSのみで使える編集ソフト。基本的な機能は十分あり、Macならではのセンスを感じさせるエフェクトが揃っている。ただ、使い方はそれほど単純というわけではなく、慣れるまでは少し時間がかかる。
・Windows10フォト
WindowsOSに最初から入っているソフト。ファイルの場所によって読み込まないなどよくわからない仕様があるが、使い方さえわかれば基本的な編集は簡単に行える。何より、最初からパソコンに入っているというのが大きい。フリーソフトをPCに入れたくない人は、これで試してみよう。
・AviUtl
無料で使えて、高度な編集もできるソフト。単体でできることは限られるが、プラグインやエイリアスといった拡張機能によって、様々な効果を発揮できる。
ただ、これら拡張機能によって、操作が複雑にしていることも事実だ。初心者が下手に手を出してしまうと、動画制作自体を投げ出してしまうきっかけになり、おすすめはできない。もし使用したい場合は、ある程度動画作成を経験し、どんな編集をさらに加えたいのかをちゃんと考え、解説サイトなどで下調べをしっかりしたうえで使うことをおすすめする。
編集の効果
編集ソフトによってどんな編集を行うのか。基本は以下の3つだ。
・カット
動画内の不要な部分を切り取ること。動画の間延びを抑えたり、不要な部分を取り除くことができる。ただし、あまりやりすぎると流れがわかりづらくなるなどの問題も起こるため、早送りなどと使い分けよう。
・トランジョン
ただ不要な部分をカットしただけでは、ぶつ切りした印象になってしまう。そこで使うのがこのトランジョン。画面が変わる合図のようなもので、フェードインやフェードアウトなどがそうだ。これを入れると、画面の切り替えの唐突さを打ち消すことができる。
・字幕
画面に文字を挿入する編集方法。実況のセリフをそのまま文字にしたり、画面に説明を入れたりなど、様々な使い方がある。フォントやサイズなど、その用途によって使い分けよう。
投稿
編集も終わり、実況動画が公開できる状態になれば、いよいよ投稿。
生放送や配信ではない動画投稿には、主に2つのサイトが有力だ。
・YouTube
いわずと知れた大型動画サイト。ユーザー数も多く、人の目に触れやすい特徴がある。また広告制度もあるため、再生数が収入になることも。
・ニコニコ動画
アニメやゲームに特化しているサイト。サイト自体のファンや、ここでしか活動していないユーザーも多い。もしこのサイトが好きならば、ここで挑戦する方が楽しいだろう。
ゲーム実況で注意すること
最後に、ゲーム実況をやる上で最低限気を付けるべきことを確認しよう。
はきはき喋る
ゲーム実況なのだから、実況の声が大事なのは当たり前。聞き取りやすく話すことを意識し、自分がちゃんと喋れているか録画で確認しよう。
動画時間を適切に
動画時間は、視聴前にわかる情報でもある。長すぎるとみてもらえないし、短すぎても物足りない。ジャンルなどにもよるが、15~30分を目安に作ることを意識しよう。とはいえ、全体のテンポが大切なので、動画時間に引っ張られすぎないように注意。
マナーを守る
人の悪口をいわない。嘘をつかない。昔した悪いことを自慢しない。誹謗中傷するようなコメントがあっても、怒って言い返したりしない。当然のことだが、何より大切なことでもある。このことを念頭に置いて、話すようにしよう。
まとめ
動画実況に必要な道具とソフトさえ入れてしまえば、実は作成自体はそれほど難しくない。編集やトークなど、考えることはたくさんあるが、まずは気楽にやってみよう。
この記事を参考にして、ぜひゲーム実況者としての一歩を踏み出してほしい。