ゲーム実況とは、基本的に配信者がトークをしながらゲームする動画を指す。
しかし、中には自分で発言することが苦手であったり、プレイ中に会話ができないというプレイヤーも多い。そういったプレイヤーからすれば、実況とは遠いところの話に思えるかもしれない。
しかしゲーム実況は、肉声だけがすべてではない。実況には種類があり、それぞれの手法によって自分の苦手なところややりたくない部分を補うことができるのだ。
この記事では、
- 肉声実況
- 生放送
- VOICEROID実況
- Vtuber実況
の4つのスタイルについて、それぞれのメリットやデメリットをまとめてみた。
自分の向き不向きに応じて、方法を選んでほしい。
ゲーム実況形式の多様性
まずは基本の肉声実況
メリット
- プレイヤーのファンができやすい
- 親しみやすさがある
デメリット
- ある程度の個人情報は知られてしまう
- 場合によっては個人攻撃に晒されることも
ゲーム実況といえば、多くの場合は肉声実況を指す。
肉声実況とは、文字通りプレイヤー自身がトークをしてゲームを進めていく形式だ。有名実況者の多くがこの形式で動画を配信している。
この実況形式の最大のメリットは、プレイヤー自身のトークやプレイから生まれる親しみやすさだ。
肉声実況から伝わる要素は、非常にパーソナルな、個人として識別しやすいものである。ゲームチョイスから企画設定、トークやプレイングまで、認知されれば、動画よりも実況者自身を見てくれるようになる。「このゲームが好きだから」よりも、「この実況者が好きだから」という理由で視聴されるようになるのだ。いうなれば人気者になれる。
したがって、一度ファンが増えればSNSやトークイベントなどにも関心を持ってもらえ、様々な発展が見込める。もし実況者として有名になりたいのならば、迷わずこのスタイルを選ぶべきだろう。
一方で、自分を晒すということがマイナスに働くことも理解しておく必要がある。発言や態度が、そのまま周囲の反応として帰ってくるのだ。SNSでもコメントでも、気を抜けない状況に置かれることになるだろう。有名無名かかわらず、この点に関しては気を付けるべきだ。
肉声実況の例
ヒカキン
キヨ。
自信があるなら生放送
メリット
- プレイ感をダイレクトに視聴者に伝えられる
- 視聴者からの意見を反映させられる
デメリット
- 自分のプレイやトークがそのまま出てしまう
- 編集できない
ゲーム実況でも花形といえる生放送は、求められるレベルが非常に高い代わりに、非常に意義のある実況でもある。
生放送最大の利点は、楽しさだ。視聴者と一緒にゲームをしている感覚、自宅で友人とともにプレイするような感覚と同じで、意見の交換やプレイのフィードバックが即座に得られ、実況者としても楽しい。
視聴者としても、実況者のプレイを見ながら意見を出したり、他のコメントを聞けるなどのコミュニケーションを楽しめる他、自分が実際にプレイしているように感情移入できる楽しさもある。
生放送は、実況者視聴者、どちらも双方向的に楽しいのだ。
しかし一方で、生放送は一切のごまかしがきかないという最大の障害がある。
録画ならば都合の悪いところもカットできるが、生放送はそうはいかない。ミスはミス、失敗は失敗、そしてトークはすべて自分の意見である。もし失言などしようものなら、その時点で炎上は免れない。
プレイヤーとしてのマナーや、ある程度の覚悟があって、初めてとれる実況スタイルといえるだろう。
トークや肉声が苦手ならVOICEROID実況
メリット
- トークを後から考えられる
- すでにできているペルソナに合わせるだけで済む
デメリット
- 脚本家に徹する必要がある
- 有名人にはなられない
VOICEROIDとは、読み上げ用の音声合成ソフトのこと。文字を入力すれば、その文字を合成音声がしゃべってくれるというものだ。
VOICEROIDを使用する場合には、映像を先に録画しておき、後から声を当てる。つまりトークを後付けで考えられるのである。肉声では白々しさが出てしまう可能性があるが、VOICEROIDであれば実際にプレイしているようにトークを作ればいいだけなので、肉声よりもトークのハードルは低くなるといえる。
また、VOICEROIDにはある程度のキャラ付けができているため、そのキャラクターに合わせて話を作ればいい。視聴者もキャラクターを理解しているから、ネタや構成を考えやすいことは大きなメリットだ。
しかし、VOICEROID実況を作る場合、製作者は完全に裏方になってしまうという事実は大きい。ゲームプレイヤー=VOICEROIDになってしまうので、実況者と名乗れないのである。
そのため、動画に人気が出ても個人的なファンは得られない。あくまで、「VOICEROID実況を作っている人」という肩書しか手に入らないのだ。有名動画投稿者にはなれるかもしれないが、有名実況者にはなれないのである。
VOICEROID実況者の例
担保くん
ガッkoya
なりきって楽しめるならVtuber実況
メリット
- ファンを作りやすい
- キャラクターによって表現の幅が広がる
デメリット
- 現状、飽和状態にある
- キャラクターに合わせる必要も出てくる
近年、急激な勢いで人気を集め、市民権を得たVtuber。ゲーム実況でももちろんこれを使用することができる。
Vtuber最大の恩恵は、キャラクターを作れること。肉声実況では個性的でなければ難しいキャラ付けも、Vtuber実況であれば容姿から作ることができる。
最近では声を変化させられるソフトも作られているため、例えば男性が女性のVtuberアバターを作ったとしても、声を女性風に変えれば、自身のトークをVtuberとして配信することも可能だ。
また、キャラクターに合わせた実況企画や発言をすれば、より造詣が深まり、そこから新しいやり方やネタを作ることもできるだろう。プレイヤースキルの低さも、キャラクター性としてしまえば、一つの個性になってしまう。
自分とは別のパーソナリティであるからこそ、自分がやらないようなこともやらせることができる。これは、個人の要素が否応なく出る肉声実況や、すでにキャラクターが固まったVOICEROID実況にはない利点だ。
一方で、Vtuberが直面している最大の問題がある。
数が多すぎるのだ。ソフトや環境の充実により、手軽にVtuberになれるようになったため、雨後の竹の子のごとく多種多様なVtuberが生まれている。埋もれないためにはよほどの個性が必要になるが、それは難しいと言わざるを得ない。
また、Vtuberとして活動するうえでは、ゲーム実況だけでは個性を出し切れない、という点もある。再生数を上げるにはゲーム実況以外の動画投稿も視野に入れる必要があるかもしれない。
Vtuber実況者の例
キズナアイ
電脳少女シロ
まとめ
実況といえば、肉声のイメージが強いだろう。また、収益を上げやすいのも、人気が出やすいのも肉声だ。
しかし、それがすべてというわけではない。ゲーム実況の形は様々なのだ。目的や自分の得手不得手に応じて、やり方を試してもいいのである。
VOICEROID実況でも再生数が非常に多い人もいれば、Vtuber実況でたくさんのチャンネル登録者がいる人もいる。肉声実況にこだわらず、まずは初めてみるのがいい。